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 神社山門: 榛名神社

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榛名神社

榛名神社(群馬県高崎市)

榛名神社(群馬県高崎市)

【 概 要 】榛名神社は用明天皇の御代に創建されたと伝わる古社で、古くから榛名山信仰の中心、山岳信仰の修行場として発展しました。格式も高く延長5年(927)に編纂された延喜式神名帳に式内小社として記載され、歴代領主からも篤く庇護されました。江戸時代中期以降になると一般庶民にも榛名信仰が浸透し、各地に榛名講が結成され多くの参拝者を受け入れました。

【 場 所 】群馬県高崎市榛名山町

【 構 造 】−入母屋(軒唐破風)、銅瓦棒葺、三間一戸、八脚単層門・入母屋(軒唐破風)、銅板葺き、一間一戸、双竜門

【 備 考 】榛名神社は綏靖天皇(第2代天皇)の時代に饒速日命の御子神である可美真手命(熟美真味命)とその子供(彦湯支命=元湯彦命)が神籬を立て天神地祇(天つ神と国つ神。すべての神々。)を祀ったのが創建とされ、用明天皇(第31代天皇・在位:585〜587年)の御代に祭祀場が設けられたと伝えられています。元々御神体だったと思われる榛名山は古くから霊山として信仰の対象となり、特に西暦489年に二ッ岳渋川噴火により大規模なマグマ水蒸気噴火と泥流が発生し、さらに、525年から550年にかけて大規模マグマ噴火、マグマ水蒸気噴火、マグマ噴火泥流が発生した事により榛名山の神を鎮める為に祭祀施設が設けられたと思われます。そういう意味では用明天皇の御代に榛名神社が創建されてたという由緒は的を得ている印象を持ちます。中央火口丘の榛名富士溶岩ドームや、カルデラ湖である榛名湖は景勝地でもあり「伊香保」と呼ばれる歌枕の地としても著名な存在なり、万葉集にも「伊香保」を題材とする歌が複数収録されています。

榛名神社の元々の主祭神と目される「元湯彦命」は、資料的価値に疑問視されている「先代旧事本紀巻第五・天孫本紀」に可美真手命(熟美真味命)と活目邑の五十呉桃の娘である師長姫との間に生まれた2人の子供、味饒田命と彦湯支命の内の彦湯支命と同神という説があります。彦湯支命は綏靖天皇の御代に足尼(宿禰)となり、その後、申食国政大夫に就任したとされ、物部氏の祖とも云われています。榛名神社の由緒で出現する饒速日命、可美真手命(熟美真味命)、彦湯支命(元湯彦命)は何れも物部氏に関係が深く、成立年不詳の「榛名山志」によると東殿には饒速日尊、中殿には元湯彦命、西殿には熟真道命が祭られていたと記されている事から、榛名神社を奉斎したのは物部氏一族だった事が窺えます。実際に物部一族が当地を支配したかは判りませんが、「続日本紀」の天平神護元年(765)十一月の条に「上野国甘楽郡の人中衛物部蜷淵ら五人に物部公の姓を賜わる。」旨の記事があり、同じく天平神護二年(766)五月の条に「上野国甘楽郡の人外大初位下礒部牛麻呂ら四人に物部公の姓を賜わる。」旨の記事がある事から、8世紀の上野国西部の豪族が物部氏に従い「物部」姓を賜っていた事が窺えます。以上の事から察すると、榛名神社は当初、榛名山を御神体として火山を鎮める祭祀施設として創建され、8世紀以後は物部姓を賜った上野国西部の豪族が物部氏の祖神を祭る神社として奉斎した可能性があります。

平安時代に入ると神仏習合したようで、榛名神社の境内からは9世紀の土器や須恵器、小金銅仏、仏具などが発見され仏教色が強い存在だった事が推察され、明治時代の神仏分離令が発令されるまで「満行権現」と呼ばれていました。「満行」とは伝説によると、無罪だったのにも関わらず上野国に流罪となった満行と呼ばれる朝廷の高官が、将来を絶望し榛名湖に身投げると、大蛇に姿を変え都に再び戻り、さらに雷神となり帝に祟りを及ぼしたと伝えられてます。この伝承から満行権現は水神と雷神を併せ持つ御利益があるとして、特に雨乞い祈願や五穀豊穣の祈願が行われたそうです。

榛名神社は戦国時代には既に荒廃し、江戸時代初期に天台宗の高僧で幕府の重鎮でもあった天海大僧正の主導の元に再興され、上野寛永寺の支配下に入ります。明治時代初頭に発令された神仏分離令により、小幡藩用達頭取役だった新居又左衛門秋住の子供で京都の東条義門の門弟である新居守村が岩鼻県から神仏分離取締に任命され榛名神社に赴任し、仏教色の強いものは全て破棄するように指導されたそうです。何故、堂宇である仁王門(神社山門)や三重塔、双龍門が残されたのかは判りませんが、榛名神社には神仏習合時代の名残を見る事が出来ます。

群馬県の神社山門
笹森稲荷神社貫前神社妙義神社青梅天満宮玉村八幡宮上野國一社八幡宮山名八幡宮
吾嬬神社世良田東照宮辛科神社二宮赤城神社三夜沢赤城神社産泰神社総社神明宮
榛名神社
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