魏略から考察する侏儒国

侏儒国

倭南有侏儒国其人長三四尺去女王国四千里

上記は「魏略」の一文で、現在は「法苑珠林、魏略輯本」で残されています。

倭の南に侏儒国があります。侏儒国に住んでいる人の身長は3〜4尺(約1m)です。女王国を過ぎて4千里にあります。と訳せます。

魏志倭人伝では、魏略と略同じで「又有侏儒國在其南人長三四尺去女王四千餘里」と記しています。

魏略のこの一文に女王国という単語が出現しています。魏志倭人伝の「其」は文脈から同じく女王国を指しています。魏志倭人伝では女王国の北方しか「略裁」が記されず、他は遠方の為に判らないとしていますが、侏儒国までの距離は何故か記されています。邪馬台国の畿内説を唱えている人達は侏儒国の比定地については積極的ではなく、邪馬台国の九州説を唱えている人達は、侏儒国の比定地を四国や種子島としている人達が多いようです。実際、種子島から発掘された弥生期から古墳時代にかけての人骨を調査すると、当時の日本で発見された人骨と比べ圧倒的に短頭、低頭、低身長の特徴が見られる事から侏儒国だったとも考えられます。種子島では中世頃までは、低身長の傾向があったとの調査結果もあり、弥生時代には倭国と種子島(侏儒国)との間に交流があったのかも知れません。女王国の版図が明確ではありませんが、魏略、魏志倭人伝共に、定里434mより5分1程度として表現されている為、4千里は意外と現実的な距離ではあります。当然、定里通り434mとすると太平洋上となり架空の国となります。

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