邪馬台国の「国名」の由来とは

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邪馬台国は存在するのか

他ページ(水行10日・陸行1月:参照)で検討した結果、水行10日・陸行1月は魏の首都である洛陽から倭国の首都国である伊都国までかかる日数を概念的に捉えたものと結論付けました。この説で、一番有効な事は「大唐六典」の水行1日84.15kmと陸行1日28.05kmで計算されている事で、時代は下がるものの実際に対馬海峡を渡海(水行)する際には70〜80キロ前後を1日で渡り切っているし、現在でも健常者は1時間で平均4km、1日に7時間歩いたとすれば28kmとなり、妥当な数字である事は明らかです。しかし、畿内説、九州説ではこの数字を極端に少なく見積もり自説の都合の良い数字に合わせています。魏志倭人伝に記されているように、倭の国々では交易が盛んで市が立っている事から、少なくとも獣道よりはマシな経路が確立していた事は容易に想像する事が出来ます(もし、邪馬台国が存在し、7万戸余の巨大な国であれば経済活動や日常生活、軍事行動など、経路の整備は必須です)。又、古代中国では1カ月に5日の休息日があり、その事については考慮する必要があるとは思いますが、通過する国毎に1日の滞在日(視察や観光)を設けたり、食糧調達の日を設けたり、1日に5km程度しか進まないなどの説はさすがにどうかと思います。又、文脈を無視して帯方郡を起点にしている説もありますが、直線式であれば不弥国、放射式であれば伊都国と考えるべきと考えます。

水行10日=84.15km×10日=841.5km

陸行30日(1月)=28.05km×30日=841.5km

上記の数字が基本中の基本で、この中で、休日や予備日を数日考慮する程度に収まる所が邪馬台国の位置となり、それ以上でもそれ以下でもありません。よって、前にも述べましたが、南方にいけば、九州を飛び出し太平洋上に至り、東方にいっても、放射式で秋田県か岩手県、直線式では日本を飛び越える為、畿内にも九州にも、日本全国探しても邪馬台国は存在しない事になります。

邪馬台国は存在しません、しかし何故、邪馬台国などという概念的な国名が付けられたのかを検証します。

まず、よく言われるているのが邪馬台国の「台」が「壱」である説で、特に九州説を唱えている人達が支持しているようです。多くの理由があるようですが、その一つに「台」の字には「中国の天子が都する地」という意味がある事から中華思想上、「倭」は卑下する対象で、高貴な「台」の字が使われるはずがないと主張しています。確かに説得力がありますが、当サイトでは邪馬台国は存在しないと結論した為、存在しない国を態々卑下する必要は無いと考えています。魏志倭人伝では、国名や人名に卑下するような漢字が多用されていますが「伊都国」の「伊」は「神の意志を伝える聖職者。治める人の意を表す。」、「都」は文字通り都(首都)で、正に倭国王の都がある相応しい国名で、決して卑下した文字ではありません。もし、邪馬台国が存在するならば、当然、伊都国より上位の国である事から、文字も相応しいものが選択され「台」の字は「都」よりも上位にあたり必然と思われます。

他の字はどうでしょうか?書道家の井上悦文氏が魏志倭人伝は元々草書体が記され、楷書体では全く異なる字が草書体では玄人でも間違える程類似し誤解する例が多いと指摘しています。例としは「海」と「馬」、「大」と「支」、「耶」と「邪」などを挙げ、実際、魏志倭人伝では「対馬国」を「対海国」、「一支国(壱岐国)」を「一大国」と記されています。対馬国や壱岐国は現在も名を残している為に検証出来ますが、存在が明らかでない邪馬台国は検証する事が出来ず元々そう書かれたのかは実は誰にも判らないはずです(畿内説ではその後に台頭した大和朝廷が邪馬台国の後身として、「ヤマト」と考えているようですが、戸数、方角、距離、民俗、地勢などから成立しません)。唯一言える事は伊都国より上位国であるはずの邪馬台国はそれ以上の名前でなければならず、当然、「邪」や「馬」は論外という事になります。伊都国も以前は倭奴(イド)国や委奴(イド)国と記されていたものの、朝貢を重ねた結果、敬称の名を得ている事からも上位国が「邪馬壱国」では示しがつかない訳です。

それでは、「邪」を「耶」、「馬」を「海」、「壱」を「台」に取り換えてみます。「邪馬壱国」は「耶海台国」となります。意味は「あ〜(感嘆)、海に浮かぶ、天子が座す都がある国。」となり、伊都国の国名を上回り、太平洋に浮かぶ大国を印象付ける事が出来ます。誰しも「邪馬台国」もしくは「邪馬壱国」という国名を疑いを持つ人はいませんが、「耶海台国」という可能性も実はあるのです。

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