白山比�盗_社（加賀馬場）

白山比�盗_社

白山比�盗_社（石川県白山市）の前身は白山の山頂を遥拝する「まつりのにわ」と呼ばれる祭壇だったとされます。白山は古代人にとって、生物を育てる水源で、美しい山容だった事から神聖な山として信仰の対象になったと思われます。「まつりのにわ」が最初に設けられたのは崇神天皇（第１０代天皇・在位：紀元前９７年〜紀元前３０年）の御代と伝えられている事から、天皇の在位期間を機械的に西暦に置き換えた年代が正しければ、弥生時代にまで遡る事になります。その後は「まつりのにわ」での素朴な祭祀が数百年続きましたが、奈良時代に入ると泰澄大師が白山の山頂の登拝に成功し、養老２年（７１８）に御前峰に祠（現在の白山比�盗_社の奥宮）を設け、明確な形としての白山比�盗_社が創建されました。泰澄大師は修験道の高僧だった事から、これ以降、白山比�盗_社は仏教色の強い神社として信仰されるようになり、白山には多くの修験僧が修行に訪れるようになりました。一方、神位も高く、加賀国に鎮座する神社の中で最高位だった事から加賀国一之宮として加賀国の住民にとって心の支えとなりました。

室町時代までは順調に白山三馬場の一翼として信仰を広げてきましたが、その後、一向宗の布教が急速に広がると、一向宗徒は武装化し、他宗教の弾圧や、領主への圧力を行った為、白山信仰は衰退し一向宗徒による自治支配が長く続きました。

戦国時代も終焉に差し掛かった頃、織田信長（安土城の城主）の北陸侵攻により頑強に抵抗していた一向一揆も鎮圧され、新たに領主となった前田利家により白山比�盗_社の再興が図られ、社領の安堵や社殿の造営、参拝道の整備などが行われました。

白山比�盗_社の再興がなると、越前の平泉寺（現在の平泉寺白山神社：福井県勝山市）と美濃の長滝寺（現在の長滝白山神社：岐阜県郡上市）との間で白山山頂の祭祀権争いが激化しましたが、親藩である福井藩の後ろ盾を得た平泉寺に有利な裁定が幕府から出されています。

明治時代の神仏分離令により仏教色が一掃され、別当寺院だった白山寺は廃寺、新政府の下では白山信仰の本社として格付けされました（これにより、平泉寺や長滝寺を経由して勧請された全国の白山神社も形式的には白山比�盗_社が本社という扱いとなり由緒を書き直す例も多かったとされます）。神門は切妻、銅板葺、三間三戸、四脚門、左右回廊付き。日本神社１００選。