・夏目漱石内坪井旧居は江戸時代後期に熊本藩の中級武家屋敷として建てられた建物で、木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺き、延べ床面積約70坪、屋敷面積435坪。
座敷は庭園に面し、床の間、天袋、地袋、違い棚付の脇床、付書院が備わった格式の高い部屋となっています。
夏目漱石は明治29年に第五高等学校(現・熊本大学)に英語教師として赴任、約4年3カ月間熊本に滞在し、当住宅には明治31年の7〜8月頃から約1年8カ月生活を行い、特に新婚生活の中、長女の筆子が生れている事から庭には産湯で使った井戸が残されています。
夏目漱石が熊本在住中、6度転居していますが、建物として現存するのは3箇所で、当住宅が一番規模が大きく快適な生活を過ごしたとも云われています。
敷地内には大正年間に増築された洋館や、漱石の五高の教え子で後に物理学者・随筆家となった寺田寅彦も所縁がある馬丁小屋等が残されています。
夏目漱石内坪井旧居は貴重な事から熊本市指定史跡に指定されています。
現在は資料室としても利用され、夏目漱石ゆかりの原稿や資料、写真などが展示されています。
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