・岡本家は元々大友家の家臣だった家柄でしたが、文禄の役で大友義統は敵前逃亡したとの嫌疑をかけられ文禄2年に改易になった事から帰農しました。
帰農したといっても地元では支配層として大きな影響力があり、江戸時代に入ると熊本藩細川家に仕える在郷武士(御家人)として地位が確約され江戸時代後期の天保年間には御留守居、中小姓格と昇格しています。
現在の岡本家住宅主屋は天保11年(1840)に建てられた建物で、木造2階建て、2重入母屋造り、桟瓦葺き、平入、大壁造り白漆喰仕上げ、腰壁は海鼠壁仕上げ、建築面積349u。
間取りは大きく「コ」の字型で構成され正面の母屋に対して西側の突出部に座敷棟、東側の突出部に奥部屋棟が配され、当時禁止されていた三間梁が用いられていました。
表門は江戸時代末期頃に建てられた建物で、切妻、桟瓦葺き、一間一戸、間口2.4m、薬医門形式、両袖塀付、在郷武士として風格ある造りとなっています。
三階の倉は明治時代に建てられた建物で、土蔵造3階建て、切妻、桟瓦葺き、妻入、外壁は白漆喰仕上げ、腰壁は海鼠仕上げ、建築面積41u、岡本家は明治時代以降も当地の大地主として大きな富を得ていた事が窺えます。
馬屋は江戸時代後期(1840年)頃に建てられた建物で、木造平屋建て、入母屋、桟瓦葺き、外壁は下見板張り、屋敷の南東隅の道路に沿って配されており、集落景観に大きく寄与しています。
上記の建物の他、南の倉、裏門、外便所、塀、石橋、浄化槽が貴重な事から国登録有形文化財に登録されています。
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