海潮寺(栃木県真岡市): 楼門

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海潮寺(栃木県・真岡市)

海潮寺(栃木県・真岡市)概要: 海潮寺は室町時代に久室栄昌大和尚が開創し、師である天英祥貞を勧請開山として迎えて創建した寺院です。当初は大田和村吹上(現在の栃木県真岡市堀内)に境内を構え宝珠庵と呼ばれる小規模なものでしたが、室町時代後期に現在地に移り海潮寺として本格的な寺院として整備されました。海潮寺は領主である芳賀氏の菩提寺として庇護されますが、安土桃山時代に主家である宇都宮氏が時の権力者である豊臣秀吉と不仲となり改易になると芳賀氏も連座し真岡の地を去っています。海潮寺には絹本着色芳賀禅可入道高名像(栃木県指定重要文化財)や芳賀氏関係の古文書(栃木県指定重要文化財)などが数多く残され、芳賀氏が大きく関わった事が伺えます。江戸時代に入ると徳川将軍家から朱印状(寺領20石)が発布され、真岡藩主稲葉家、歴代真岡代官が庇護し境内には竹垣君徳政碑が建立されています。海潮寺山門は江戸時代後期の文化3年(1806)に造営されたもので入母屋、大谷石瓦葺、三間三戸、八脚楼門、桁行6.59m、梁間3.86m、外壁は真壁造り板張り、上層部正面中央には格子戸、左右には花頭窓、高欄付、栃木県指定文化財に指定されています。基本的に石葺き屋根の現存する例が少なく、特に海潮寺山門のように大谷石を瓦状に加工して屋根葺材として採用する事は極めて珍しいとされます。確かに、大谷石は海潮寺が境内を構える真岡市に隣接する宇都宮市大谷町が産地で、耐火性に富み、石にしては軽く、石質が柔らかく加工し易い特徴がありますが、外壁材や床材、加工品として利用されるのが一般的とされます。

※ 当サイト「全国楼門建築」は資料や案内板、パンフレットなどを参考にして編纂していますが、個人的な意見も含まれている為、最終確認は自らの責任により最終確認してください。又、写真や文章のコピーは遠慮してください。

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