玉林院: 楼門

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玉林院(長野県・上松町)

玉林院(長野県・上松町)概要: 玉林院は中山道上松宿に位置する臨済宗妙心寺派の寺院で、安土桃山時代の天正10年(1582)に玉林和尚によって創建された云われています。玉林和尚は16代目木曽義元の2男、17代目木曾義在の弟とされ、出家した後に木曽家初期の菩提寺である定勝寺(長野県木曽郡大桑村須原)に入り6世住職を担い定勝寺には絹本著色玉林和尚像(永禄7年:1564年、縦82.3cm、横35.9cm・長野県県宝)が残されています。生没年は不詳ですが、兄である義在は明応2年(1493)に生まれている事から、かなり高齢で玉林院を開山し、境内背後の高台は第18代当主木曽義康2男とされる蔵人義豊が設けた上松氏館だった事から、玉林院の境内は城の防衛施設の一環として整備されたと思われます。山門は江戸時代中期の明和3年(1766)に藤田治郎兵衛や原金右衛門などの尽力により造営された古建築物で、明治27年(1894)の火災で多くの堂宇が焼失した中、被害を免れています。山門は三間一戸、入母屋、銅板葺、八脚鐘楼門、外壁は真壁造り素木板張り、上層部は柱のみの吹き放し、高欄付、棟梁は川村弥平治他や留久六高木弥兵等、上松町指定文化財に指定されています。

上松宿は江戸時代に五街道に数えられ幕府から重要視された中山道の宿場町として成立した町です。戦国時代から木曽地方の領主である木曽氏の支城、上松城が築かれ一族が配され早くから開かれ、上松宿が成立した後は、尾張藩の上松材木役所が置かれ引き続き重きを成しました。上松宿の周辺には、木曽の桟、寝覚の床、小野の滝、といった中山道を代表する景勝地が続き、往時は賑わったそうです。

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