板取宿・概要: 板取宿(福井県南条郡南越前町板取)は福井県では殆ど見られなくなった茅葺屋根集落です。 戦国時代の織田信長の重臣である柴田勝家が北陸方面軍司令官として越前に配されると、近江、京都と越前を結ぶ北陸道(北国街道)の整備が重要され、それに伴い、近江国と越前国の国境付近にあった板取に宿場町が設けられました。江戸時代でも藩境として引き続き重要視され福井藩では重厚な門構えに間口3間、奥行3間の番所を板取宿の東端に設置し、役人や足軽などを常駐させ管理させました。板取宿には数多くの建物が建ち並んでいましたが、明治時代に入り宿場制度が廃止になると重要性が失われ、さらに主要道が旧板取宿から離れた場所に設置されると急速に衰退し、さらに過疎化や高齢化に伴い往時の繁栄は失われました。現在は人気もありませんが、街道沿いには木造2階建、入母屋(妻面の屋根を切り取り開口部を設ける兜造)、茅葺、妻入の古民家が数棟健在し、風情ある景観が残されています。さらに、板取宿から木の芽峠に向かうと言奈地蔵(入母屋、茅葺、妻入、桁行2間、梁間2間、弘法大師空海を模した石造地蔵菩薩像安置。)が境内を構え、峠付近には平家出身と伝わる前川家が営む峠の茶屋(木造平屋建て、入母屋、茅葺、平入)が屋敷を構えています。板取宿と木の芽峠は日本の秘境100選に選定されています。
福井県茅葺屋根建築一覧
・旧梅田家住宅−天保〜弘化年間(1830〜58)−福井市指定文化財
・旧岡本家住宅−安永3年(1774)以前−福井市指定文化財
・旧城地家住宅−嘉永5年(1852)−福井市指定文化財
・旧土屋家住宅−幕末〜明治時代初頭−福井市指定文化財
・旧蓑輪家住宅−18世紀前半−福井市指定文化財
・樺八幡神社:古拝殿−鎌倉時代−福井県指定文化財
・坪川家住宅−江戸時代初期−国指定重要文化財
・旧橋本家住宅−江戸時代後期−国指定重要文化財
・旧瓜生家住宅−元禄12年(1699)−国指定重要文化財
・朝日町郷土資料館(広部家)−嘉永5〜6年(1852〜53)−国登録有形文化財
・相木家住宅−江戸時代中期−国指定重要文化財
・旧谷口家住宅−文化6年(1809)−国指定重要文化財
・堀口家住宅−江戸時代中期−国指定重要文化財
・八王子社−文政7年(1824)−越前町指定文化財
・相木家住宅−18世紀前半−国指定重要文化財
・木下家住宅−江戸時代後期−国指定重要文化財
・飯盛寺:本堂−延徳元年(1489)−国指定重要文化財
・萬徳寺:庫裏(書院造)−延宝5年(1677)
・旧三田村家住宅−明治元年(1868)
・板取宿(北国街道宿場町)−明治時代
・旧野村家住宅(穴馬民俗館)−明暦年間(1655〜1657年)
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