能登半島: 数十年前まで能登半島には数多くの茅葺屋根民家が存在し、集落の鎮守(神社)や寺院なども茅葺屋根で、それらで集落を形成していました。現在でも複数の茅葺屋根の民家は存在するものの、急速な勢いで消失しているのが現状で、茅葺屋根集落といわれている所でも数棟程度で、葺き替えの時期を迎える毎に他の屋根材に変更しているようです。それでも、茅葺屋根の建物で文化財に指定されている物件も多く往時の名残を見せています。特に江戸時代、能登半島は加賀藩に属し他藩の大庄屋にあたる十村役が地域の代表として支配し、その屋敷が数多く現存しています。名称の通り10カ村を1単位としてその中で有力な豪農や旧家などがその役を担い、屋敷も単なる邸宅だけでなく問屋や代官所を兼ねた為、大規模で格式の高い建物が求められました。能登半島では黒丸家十村役(石川県珠洲市)や下時国家十村役(輪島市町野町西時国)、上時国家天領庄屋(輪島市町野町南時国)、中谷家十村役(能登町柳田村黒川)、室木家天領庄屋(七尾市中島町)、平家天領庄屋(志賀町志賀)、雄谷家十村役(志賀町志賀)、桜井家十村役(羽咋市柳田町)、岡部家十村役(宝達志水町志雄)、喜多家十村役(宝達志水町押水)などの屋敷が残されており、中には茅葺屋根の大型な建物も含まれています。
石川県:茅葺屋根建築・一覧
・飯田家住宅−江戸時代中期−国登録有形文化財
・座主家住宅−享保年間(1716〜1735年)−国指定重要文化財
・室木家住宅−明治23年(1890)−七尾市指定有形文化財
・阿岸本誓寺−寛政4年(1792)−石川県指定重要文化財
・上時国家住宅−天保2年(1831)−国指定重要文化財
・下時国家住宅−江戸時代中期−国指定重要文化財
・黒丸家住宅−17世紀後半−国指定重要文化財
・春木家住宅(白山麓の山村民家)−江戸時代−国指定有形民俗文化財
・松尾神社拝殿−室町時代−石川県指定重要文化財
・雄谷家住宅−江戸時代中期−石川県指定重要文化財
・能登町郷土館(能登半島)−江戸時代末期
・旧観坊(能登半島)−江戸時代末期−石川県指定重要文化財
・喜多家住宅−文化年間から文政年間−国指定重要文化財
・岡部家住宅−元文元年(1736)−石川県指定重要文化財
・旧平家住宅−江戸時代中期の古材利用−石川県指定重要文化財
・旧野本家住宅−江戸時代末期(19世紀前半)−金沢市指定文化財
・旧高田家住宅−18世紀初頭から中期−石川県指定重要文化財
・妙成寺浄行堂(能登半島)
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