マキノ在原集落・概要: 在原集落は滋賀県を代表する茅葺民家集落です。集落外れには平安時代の歌人として知られる在原業平の墓碑と伝えられる小型の宝篋印塔が建立され、集落では業平が晩年、当地で過し没したとの伝承があり、地名の由来になったと伝えられています。周辺からは隔絶された農山村集落で決して裕福では無く、建物自体も小規模のものが目立ち、京都府美山町の北集落のような規則的な配置とは異なり、小さな範囲に密集して民家が配されたような印象を受けます。現在は過疎化が進み30戸程の集落でその内10軒前後の茅葺屋根の建物が残されていますが、特に文化財として指定されている訳では無い為、次第に消え行く景観と思われます。
伊香造り・大浦造り: 滋賀県には伊香造りや大浦造りといった形式の民家があります。入母屋屋根の破風部分に「前垂れかざり」という意匠飾りを付けている民家で、妻入りを「伊香造り」、平入を「大浦造り」と呼んでいます。当地域では破風部分が建物の顔的な存在と位置づけ「前垂れかざり」に工夫を凝らしたと思われます。「前垂れかざり」は説明が難しいですが屋根の棟を押える材を妻面から放射状に縄で縛り上げ、その縄を保護の為に2つに割った蒲鉾状の竹を丁度カバーのように嵌める為に正面からは扇のように見えます。在原集落では入母屋、平入の大浦造りの民家が多く見られます。
山梨県茅葺屋根建築一覧
・松井家住宅−明和9年(1772)−滋賀県指定文化財
・旧竹中家住宅−江戸時代後期−国登録有形文化財
・浅井町歴史民俗資料館(七りん館)−文化元年(1804)
・辻家住宅−江戸時代後期−国指定重要文化財
・旧宮地家住宅−宝暦4年(1754)−国指定重要文化財
・田中家住宅−明和5年(1768)−国指定重要文化財
・玄宮園−国指定史跡
・沙沙貴神社楼門−延享4年(1747)−滋賀県指定文化財
・福田寺書院−滋賀県指定文化財
・教林坊庫裏−江戸時代前期−近江八幡市指定文化財
・教林坊表門−江戸時代前期−近江八幡市指定文化財
・大浜神社仁王堂−鎌倉時代−滋賀県指定文化財
・大庄屋諏訪家屋敷−江戸時代後期−守谷市指定文化財
・石山寺月見亭−貞保4年(1687)
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