五箇山・概要: 五箇山(富山県南砺市)の名称は赤尾谷、上梨谷、下梨谷、小谷、利賀谷の5つ谷があった事が由来していると云われています(諸説あり5つの谷毎に荘園が設けられた事から五カ荘と呼ばれたとも)。周囲が山々に囲われていた事から世間とも隔絶した地域だった為、平安時代末期の源平合戦の一つ倶利伽羅峠の戦いで敗れた平家の落人伝説や宗良親王(後醍醐天皇第8皇子)が身を隠した伝承などが残っています。戦国時代には一向宗の一大拠点となり各集落には念仏道場が設けられ中には「血染めの名号」と呼ばれる血判が残され、江戸時代には五箇山の地理的、気候的な要因から加賀藩の硝煙密造地や流刑地などに利用されています。このような歴史的、地理的な背景から現在でも当時の景観が残され、特に相倉集落、菅沼集落には茅葺の合掌造り民家が多数現存しています。
合掌造り・概要: 合掌造りとは急勾配の切妻、妻入、茅葺、3階から4階建の古民家で屋根の形状が人が合掌したような形をしている事から名付けられたと云われています。五箇山地方は豪雪地として知られ、雪が屋根に堆積し押し潰されないように、屋根が一般的な民家の屋根勾配よりもきつく、雪が一定以上に堆積しないように工夫されています。屋根の構造は所謂トラス構造と呼ばれるもので、両側の構造材が棟木で合わさる事から垂直の加重を合理的に下部構造に伝える事が出来、和小屋で見られる束が無い為、屋根裏部屋が有効に利用出きる特徴を持っています。五箇山では養蚕業が盛んだった事から、蚕の飼育や養蚕の作業場として利用され下階は居室と共に硝煙が生産され、産業にも適した造りになっていました。
相倉茅葺き屋根集落(五箇山)・概要: 相倉集落(富山県南砺市相倉)は五箇山に位置する茅葺合掌造り集落の一つで、世界遺産の範囲は南北約500m、東西約200〜300m、18ヘクタール、江戸時代末期から明治時代末期に建てられた茅葺の合掌造りの古民家が20棟残されています。昭和45年(1970)に両集落共に国指定史跡に指定され、平成9年(1994)に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定、平成10年(1995)に世界遺産に登録されています。
相倉茅葺き屋根合掌造り集落:関連動画
相倉茅葺き屋根合掌造り集落:付近マップ(古地図風)
菅沼茅葺き屋根集落(五箇山)・概要: 菅沼集落(富山県南砺市菅沼)は五箇山に位置する茅葺合掌造り集落の一つで、世界遺産の範囲は南北約230m、東西約240m、4.4ヘクタール、江戸時代末期から大正時代末期に建てられた茅葺の合掌造りの古民家が9棟残されています。昭和45年(1970)に両集落共に国指定史跡に指定され、平成9年(1994)に重要伝統的建造物群保存地区に選定、平成10年(1995)に世界遺産に登録されています。
菅沼茅葺き屋根合掌造り集落:関連動画
菅沼茅葺き屋根合掌造り集落:付近マップ(古地図風)
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