石岡市八郷町: 茨城県内では集落内の茅葺屋根建築の占有率が高い、所謂「茅葺屋根集落」はありませんが、その中でも石岡市八郷町では多くの茅葺屋根を持った古民家が点在する地域です。平成15年(2003)に旧八郷町が編纂した「八郷町茅葺きマップ(配布終了、残部無し)」では江戸時代から明治時代までに建てられた茅葺屋根建築が31棟掲載されており保存に対する意識が高い事が窺えます(当時のパンフレットでは60数棟が現存していると記載されていますが、現状は不詳)。
古くから八郷は豊かな穀倉地帯として知られ、他地域に比べると屋敷や建物の規模が広く、現在でも多くの古民家が現存している事が洗練された茅葺屋根を見る事出来ます。
特に「筑波流」と呼ばれる筑波山麓に伝わる独特の葺き方があり、下から「麦わら」→「古茅」→「新茅」→「古茅」→「新茅」→「古茅」→「新茅」と種類の異なる茅を重ね合わせる事で軒先が意匠的にも美しい縞模様が現れます。
又、棟の両端を「きりとび」、棟止めを「たこどめ」と称して「龍」「水」「松」「竹」「梅」「寿」など縁起や火災防止などの願い込めた文字や絵などを掲げられています。数が多い為に殆どが文化財指定されておらず、その分「やさと茅葺き民家保存会」が中心となり保存活動や茅葺職人の育成などを行っています。
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