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石川県:城郭建築一覧 |
市町村 |
城名 |
名称 |
現在 |
概要 |
備考 |
金沢市 |
金沢城 |
石川門 |
同左 |
天明8年:櫓門、2重櫓、多聞櫓、表門 |
国重文 |
金沢市 |
金沢城 |
三十間長屋 |
同左 |
安政5年:2層2階、桁行26.5間、鉛瓦葺 |
国重文 |
金沢市 |
金沢城 |
鶴丸倉庫 |
同左 |
嘉永元年:全国城郭土蔵建築で最大級 |
国重文 |
金沢市 |
金沢城 |
切手門 |
同左 |
切妻、桟瓦葺 |
− |
金沢市 |
金沢城 |
御殿唐門 |
尾山神社 |
二ノ丸御殿唐門を尾山神社に移築 |
国登録 |
金沢市 |
金沢城 |
二ノ丸能舞台 |
中村神社 |
中村神社の拝殿として改修 |
国登録 |
小松市 |
小松城 |
鰻橋御門 |
来生寺 |
寛永17年:長屋門、入母屋、本瓦葺 |
市指定 |
小松市 |
丸岡城 |
城門 |
興善寺 |
移築城門:切妻、桟瓦葺 |
− |
加賀市 |
大聖寺城 |
長流亭 |
同左 |
宝永6年:木造平屋建、寄棟、柿葺 |
国指定 |
七尾市 |
七尾城 |
城門 |
西光寺 |
切妻、桟瓦葺 |
− |
能登町 |
松波城 |
搦手門 |
万福寺 |
切妻、桟瓦葺 |
町指定 |
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戦国時代、一向一揆により加賀国の守護職冨樫氏の勢力が衰退すると一向宗徒による事実上の自治が行われ、天文14年(1545)にその拠点となる金沢御堂(尾山御坊)が造営され、加賀国における宗教、行政、軍事の中心的な存在となりました。寺院とはいえ、実質の城郭で軍事専門の御蔵衆が防衛の任を担い周辺の大名から領地を守りました。天正8年(1580)、織田信長の北陸地方侵攻の軍総司令官柴田勝家の采配により金沢御堂は落ち、家臣である佐久間盛政が配され、本格的な城郭として大改修され尾山城と称しました。天正11年(1583)柴田勝家が羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)に敗れ自刃すると、盛政も連座し代わって勝家を裏切り秀吉に従った前田利家が加賀国の石川郡と河北郡の2郡を加増され本拠を小丸山城(七尾市)から尾山城(金沢城)に移しました。天正15年(1587)に前田家の客将だった高山右近が中心となり拡張や改修が行われ、さらに文禄元年(1592)に前田利長が拡張を進めました。前田利家は豊臣家の重臣として五大老に抜擢され重責を担いましたが、秀吉、利家が相次いで倒れると、 後を継いだ利長は豊臣家を見限り徳川家に与し慶長5年(1600)の関ヶ原の戦いでも東軍として行動した事で122万石の日本最大の外様大名となりました。金沢城の城下町も数多くの家臣を擁した事から大消費地として発展し人口は日本で第4位となり独自の文化も花開きました。明治4年(1871)に加賀藩が廃藩になると金沢城には兵部省(後の陸軍省)の管轄となり明治8年(1875)には歩兵第七連隊の駐屯地として整備され、戦前まで軍の施設として利用されました。戦後から平成7年(1995)まで金沢大学の校庭として利用され移転に伴い金沢城公園として整備されました。多くの建物や施設は破棄されましたが石川門と三十間長屋、鶴丸倉庫が城内に現存し何れも国指定重要文化財に指定されています。日本100名城。
金沢城:動画
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小松城は天正4年(1576)に若林長門守により築城されたとされます。若林長門守は加賀一向一揆の指導的立場の部将で小松城も一揆衆の拠点として機能していましたが天正8年(1580)、織田信長(安土城の城主)の北陸地方侵攻の軍総司令官柴田勝家(北ノ庄城の城主)の采配により加賀国の一揆衆の大半は掃討され村上氏が配されます。慶長3年(1598)、豊臣秀吉の命で村上氏は村上城(新潟県村上市)に移封となり、代わって丹羽長重が小松城に配されます。長重は秀吉の重臣で123万石の大大名丹羽長秀の長男でしたが不手際(諸説あり)から小大名へと格下げになり、改めて小松城12万石に抜擢されています。その為、慶長5年(1600)の関ヶ原の戦いでは西軍として行動し、逆に豊臣家を見限った前田利長とは対立関係となり小松城を堅守する共に北陸の関ヶ原とも呼ばれた「浅井畷の戦い」では前田軍の背後を付き大勝利を納めています。 しかし、本戦での関ヶ原の戦いで西軍が敗れた為、長重は改易となり、小松領は前田領となり小松城には前田家の一族である前田長種が配されています。元和元年(1615)に発令された一国一城令を受けて小松城は廃城となりますが寛永16年(1634)に加賀藩3代藩主前田利常の隠居城として再び整備され、以後、金沢城の唯一の支城として明治維新まで城郭が維持されました。小松城は明治維新後に廃城となり多くの建物が破棄された為、現在残されている遺構は来生寺の山門として移築された鰻橋御門だけです。鰻橋御門は寛永17年(1640)に建てられたもの入母屋、本瓦葺、長屋門形式、外壁は真壁造り、白漆喰仕上げ、腰壁は板張り、小松市指定文化財に指定されています。
小松城:動画
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