青森県 :武家屋敷・家老屋敷

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武家屋敷・歴史・観光・見所

【概 要】−青森県の江戸時代は弘前藩(弘前市)、黒石藩(黒石市)、八戸藩(八戸市)、七戸藩(七戸町)、南部藩(三戸町、五戸町)に分かれ、明治時代に入り、会津若松藩(福島県会津若松市)が戊辰戦争で破れた為、下北半島の北部に斗南藩(むつ市)を立藩しています。

【弘前市】弘前市弘前城の城下町として発展した町です。弘前市弘前城には弘前藩の藩庁、藩主居館が置かれ、さらに、上級、中級武家屋敷も弘前城の外堀の内部に屋敷割りされ、下級武家屋敷は弘前城の北部の仲町、西部の下町、南部と東部の町人町の外側に配置されました。弘前城は築城以来大きな戦争に巻き込まれず、太平洋戦争の戦災も受けなかった事から数多くの古建築物が残され、特に弘前市仲町に当時の下級武家屋敷が数多く存在し昭和53年(1978)に10.6ヘクタールが「伝統的建造物群及び地割がよく旧態を保持している」との選定基準を満たしている事から「弘前市仲町」として国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。特に門構えや板塀、生垣などが残され当時の武家町の雰囲気を今日に伝え旧岩田家住宅(青森県:県宝)、旧伊東家住宅(青森県:県宝)、旧梅田家住宅、旧笹森家住宅(弘前市指定文化財)の4棟が一般公開されています。

【黒石市】−黒石藩は弘前藩の支藩で、弘前藩の3代藩主津軽信義の弟である津軽信英が黒石周辺に5千石を分知され、その8代後裔である親足が文化6年(1809)に加増を受け1万石で諸侯に列しました。城主格では無かった為、陣屋構えの小城下町として整備され、黒石陣屋の南側が堀として見立てられた浅瀬石川が控えていた為、残る東、北、西側の3方は武家屋敷で囲っていました。現在は武家町の大部分が整地され武家屋敷の遺構は九戸家住宅など僅かです。逆に商家町である中町には「こみせ」と呼ばれる木造アーケードを持つ多くの町屋建築が軒を連ねた町並み重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。

【八戸市】−八戸藩は盛岡藩の御家騒動により南部直房が八戸周辺に2万石が分知され立藩した藩で、藩庁、藩主居館は八戸城に置かれました。所謂支藩ではなく、独立した藩で立藩した経緯から親戚筋でも関係は悪く藩境では度々小競り合いが起こっています。八戸城は東、北、西側の3方が崖地だった為、南方のみに城下町が町割され、城の正面に武家町、その外側に商人(町人)町、さらにその外側や街道の出入口に下級武士や足軽屋敷が設けられました。現在は市街地となり目立った武家屋敷の遺構は見られません。

【七戸町】−七戸藩は文政2年(1819)、南部信鄰が本藩である盛岡藩から加増を受け支藩として立藩しました。当初は所謂「新田藩」で特定された領地が無く収入のみが支給されていましたが安政5年(1858)に城主格となり、戊辰戦争後に改めて七戸周辺1万石が認められ七戸藩を立藩、藩庁、藩主居館として七戸城が築かれました。七戸の地は盛岡藩の代官所が設置された要地で、七戸城も基本的にはその代官所が改変された程度だったようで、七戸藩も明治4年(1871)に廃藩になった為、廃城となっています。武家町の規模も小さく七戸城の東側に1列10数棟の武家屋敷が配されていたようです。

【むつ市】−斗南藩は戊辰戦争に敗れた会津藩(本城:鶴ヶ城)が再興を許され立藩した藩で、当初は会津から数多くの藩士や家族、関係者が移り住み多くの武家屋敷も建てられましたが、藩主が幼少で廃藩直後に東京に移った事で多くの藩士も当地離れ、現在は跡地のみとなっています。

【その他】−青森県の南東部は南部藩の領内で五戸と三戸にはそれぞれ五戸代官所、三戸代官所が置かれ、藩の役人や地元の郷士により管理されていました。特に三戸は藩主三戸南部氏の旧居城だった三戸城の城下町として発展した町で重要視されました。五戸には郷士屋敷である江渡家住宅が残されています。

武家屋敷・家老屋敷(現存)一覧表

 青森県:武家屋敷一覧
市町村 名称 建築年 概要 主要遺構 備考
弘前市へはこちら 弘前市 旧岩田家住宅 寛政〜文化 200〜300石の中級武士 主屋 県重宝
弘前市:仲町へはこちら 弘前市 旧伊東家住宅 江戸末期 弘前藩の藩医住宅 主屋 県重宝
  弘前市 旧梅田家住宅 嘉永年間 100石の中級武士 主屋
  弘前市 旧笹森家住宅 宝暦6年以前 弘前市最古の武家屋敷 主屋 市指定
黒石市へはこちら 黒石市 九戸家住宅 江戸後期 黒石藩家中の上級武士 主屋 国登録
五戸町へはこちら 五戸町 江渡家住宅 天明年間 五戸代官所付在郷武士 主屋 国重文
  五戸町 旧圓子家武家住宅 安政年間 南部家に仕える在郷武士 主屋、表門 県重宝
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