茨城県 :武家屋敷・家老屋敷

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武家屋敷・歴史・観光・見所

【概 要】−茨城県の江戸時代は水戸藩を中心に松岡藩、宍戸藩、笠間藩、下館藩、下妻藩、麻生藩、石岡藩、府中藩、土浦藩、志筑藩、牛久藩、谷田部藩、古河藩、結城藩が支配していました。水戸藩は親藩、笠間藩、土浦藩、古河藩は城持大名、その他は石高が低く陣屋構えの陣屋町が建設されましたが、城下町や陣屋町はそのまま発展した為、市街化や宅地化され多くの武家町は消滅していきました。町並みとしては古河城の周辺、特に家老職などを歴任した鷹見泉石旧宅辺りは当時の雰囲気を良く残していて、麻生では2件の武家屋敷が現存し畑家住宅が県の文化財に指定されています。

【水戸市】−水戸市は水戸城の城下町として発展した町です。水戸城は鎌倉時代初期に大掾氏によって水戸市築かれた城郭ですが、天正18年(1590)の小田原の役で豊臣方に与し大きな信任を得て常陸国54万石の大大名となった佐竹義宣により大城郭に拡張整備され、城下町もそれに見合うように町割されました。義宣は慶長5年(1600)の関ヶ原の戦いでは東西に対して曖昧な態度をとった為、事実上西軍方として処分され久保田藩(21万石・本城:久保田城)で移封となり、以後、水戸城は徳川家一族により管理されました。水戸の地は江戸城に数多くの街道が交差する近く交通の要衝だった事から軍事的にも重要視されていた為、豊臣恩顧の有力大名だった佐竹氏は何れにしても当地からは排斥される運命にあったと思われます。慶長14年(1609)に徳川家康の11男徳川頼房が水戸城に入ると水戸藩を起こし、明治維新まで水戸徳川家の居城として機能しました。

現在の原型となる町割は寛文年間(1661〜1672年)頃、水戸藩第2代藩主徳川光圀の代に完成、水戸城は北方に那珂川、南方に桜川、千波湖が天然の堀として見立てられていた為、城下町は必然的に東西に長く計画され水戸城の西側で地盤高さ的には平行な場所に上市町を町割して上級武家屋敷を廃して、水戸城から見て東側の低地には下市町を町割して下級武家屋敷を配しました。

商家町は基本的に武家屋敷の外側の街道沿いに町割されましたが、面積的には武家町と比べかなりかなり制限されていたようです。水戸はその後、茨城県の県庁所在地として近代化し、太平洋戦争の際の空襲などにより、目立った武家屋敷の遺構は見られません。

【古河市】−古河市は古河城の城下町として発展した町です。古河城は平安時代末期に築かれたのが水戸市始まりの古城で、室町時代には形式的には関東地方を采配した古河公方足利氏の居城でした。戦国時代に入ると小田原北条氏の台頭により古河公方足利氏は没落し古河城も北条氏の支配下に入りますが、天正18年(1590)の豊臣秀吉による小田原の役で北条氏は敗れ没落します。同年、徳川家康の関東移封に伴い古河城には家臣である小笠原秀政を配しました。慶長5年(1600)の関ヶ原の戦いで秀政は上杉景勝の南進を押さえる為に宇都宮城(栃木県宇都宮市)に詰めた功により飯田藩(長野県飯田市・本城:飯田城)に移封となり代わって古河城には松平康長が入り古河藩を立藩します。元和5年(1619)に奥平忠昌が城主になると古河城の拡張と城下町の整備が行われ現在に近い町割となっています。

古河城の西側は渡良瀬川が流れ天然の外堀に見立てられ、奥州街道が東から南に廻り込むように城下町に引き込んだ為、必然的に城下町は東側と北側に設けられる形となりました。

又、古河城が城下町の中で一番低地にあった為、城に近い上級武家屋敷が低地、下級武家屋敷がそこより高所に設けられ、他の城下町とは逆の配置となっています。古河城の旧諏訪郭周辺が武家町の雰囲気が残される一帯で幕府に古河藩の家老を務めた鷹見泉石の旧宅が当時の形態を継承しています。又、杉並通りには旧武家屋敷の土塀が現存し当時の名残が見られます。

武家屋敷・家老屋敷(現存)一覧表

 茨城県:武家屋敷一覧
市町村 名称 建築年 概要 主要遺構 備考
土浦市へはこちら 土浦市 一色家住宅 江戸末期 木造平屋建、寄棟、茅葺 主屋 国登録
古河市へはこちら 古河市 鷹見泉石旧宅 江戸時代 古河藩家老職:上級武士 主屋・長屋門
行方市へはこちら 行方市 畑家住宅 安政4年 麻生藩家老職:上級武士 主屋・表門 県指定
  行方市 三好家住宅 明治13年 上級武家屋敷を踏襲 主屋
  行方市 大場家住宅 寛永年間 郷士邸宅、本陣、藩政事務所 主屋・長屋門 県指定
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